社宅アフェクション
試合開始は午後1時。あと3時間。なんで集合時間早いんだと文句を言うクラスメートの声も聞こえるが、私はいいと思う。
試合までの時間、選手と緊張感を共有できる気がする。
「ね、あれかっちゃんじゃない?」
「どれどれ?」
「ほら、背番号9の」
「ん~と……ほんとだ、勝彦だ!」
今、どんな気持ちで最終調整してるんだろう。
中学の時、聞いたことがあった。
…………………………………………………
私たちは、一部屋離れたベランダにいた。
「試合の前ってさ、何考える?」
「なんだよ、急に」
「明日から最後の中総体じゃん?私はさ、失敗したらどうしよう!とか、結果はどうでも夕飯は食べれる!とか……」
「くだらねぇ思考回路だな」
「何よっ!!」
勝彦は夜の空を見上げていた。
「何も考えねぇな、俺は」
「え?」
「今までやってきたことは無駄じゃねぇし、全力だった。それでも負けたら、相手のほうが俺より頑張ってたってことだけだし。自分の努力を信じれるから、何も考えない」
その横顔は大人びていて……
「つまり自信家?」
「違ぇよ、バカが」
「ちょっ……バカってなに!?勝彦!!!!」
…………………………………………………
今日のあいつも、自信しかないのかな。
試合までの時間、選手と緊張感を共有できる気がする。
「ね、あれかっちゃんじゃない?」
「どれどれ?」
「ほら、背番号9の」
「ん~と……ほんとだ、勝彦だ!」
今、どんな気持ちで最終調整してるんだろう。
中学の時、聞いたことがあった。
…………………………………………………
私たちは、一部屋離れたベランダにいた。
「試合の前ってさ、何考える?」
「なんだよ、急に」
「明日から最後の中総体じゃん?私はさ、失敗したらどうしよう!とか、結果はどうでも夕飯は食べれる!とか……」
「くだらねぇ思考回路だな」
「何よっ!!」
勝彦は夜の空を見上げていた。
「何も考えねぇな、俺は」
「え?」
「今までやってきたことは無駄じゃねぇし、全力だった。それでも負けたら、相手のほうが俺より頑張ってたってことだけだし。自分の努力を信じれるから、何も考えない」
その横顔は大人びていて……
「つまり自信家?」
「違ぇよ、バカが」
「ちょっ……バカってなに!?勝彦!!!!」
…………………………………………………
今日のあいつも、自信しかないのかな。