社宅アフェクション
とうとう始まった、高校最後の学校祭!
開祭式はすごく楽しかった。佳乃の姿を見ていたら、同じようには騒げなかったけど…。
「ハニー、部室に急ごう!もう時間ないよ!」
「うわっ!!あと5分でみんなまわり始めちゃうじゃん!!」
開祭式を振り返っている場合じゃない!
私たちは部室棟の最上階一番端まで走った。
「それじゃ予定通り、私が受付で、直人が中でお化け役ね」
「最後に出口まで追いかけるんだよね?お前も道連れだぁぁぁ~!!……完璧?」
「完璧!!上出来!!」
嬉しそうな表情で“そんじゃいってきま~す”と軽く手を振りながら、直人は中に入っていった。
そして10時になった。いよいよだ。
私はとにかくお客さんが来るのを待った。みんなで作ったお化け屋敷なんだ。1人でも多く来てほしい。
:
:
15分ほどたった。まだ誰も来ない。
「直人、暗闇で15分もひとりぼっちって辛いよなぁ……」
ちょっと声をかけようかとドアを開けかけた時だ── 廊下の向こうから声がする気が……
それは気のせいじゃなかった。こっちに団体さんが向かってくる。1組じゃない。たくさん!
みんな、手に手にポスターを持っている。蒼空と由香里がうまく配ってくれたんだ!!
「やった!」
私はひとり、ガッツポーズをした。
「あの、復讐の館はここですか?」
「ようこそ、恐怖の世界へ。何名様、ご案内いたしましょうか?」
私の声は、うれしさで震えていた。
開祭式はすごく楽しかった。佳乃の姿を見ていたら、同じようには騒げなかったけど…。
「ハニー、部室に急ごう!もう時間ないよ!」
「うわっ!!あと5分でみんなまわり始めちゃうじゃん!!」
開祭式を振り返っている場合じゃない!
私たちは部室棟の最上階一番端まで走った。
「それじゃ予定通り、私が受付で、直人が中でお化け役ね」
「最後に出口まで追いかけるんだよね?お前も道連れだぁぁぁ~!!……完璧?」
「完璧!!上出来!!」
嬉しそうな表情で“そんじゃいってきま~す”と軽く手を振りながら、直人は中に入っていった。
そして10時になった。いよいよだ。
私はとにかくお客さんが来るのを待った。みんなで作ったお化け屋敷なんだ。1人でも多く来てほしい。
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15分ほどたった。まだ誰も来ない。
「直人、暗闇で15分もひとりぼっちって辛いよなぁ……」
ちょっと声をかけようかとドアを開けかけた時だ── 廊下の向こうから声がする気が……
それは気のせいじゃなかった。こっちに団体さんが向かってくる。1組じゃない。たくさん!
みんな、手に手にポスターを持っている。蒼空と由香里がうまく配ってくれたんだ!!
「やった!」
私はひとり、ガッツポーズをした。
「あの、復讐の館はここですか?」
「ようこそ、恐怖の世界へ。何名様、ご案内いたしましょうか?」
私の声は、うれしさで震えていた。