社宅アフェクション
「あ~楽しかった!」
「結構遊んじゃったね。見てよ、景品がいっぱい!でもいいの?お菓子とかもらっちゃって」
「いいよいいよ!ハニーのためにとったんだからさ」


私の両手は文字通りいっぱいだった。そのほとんどがお菓子だけど……


「出店に行ってなんか食べようよ」
「そうだね。何食べる?」
「焼きそばとか…じゃがバターもおすすめだって聞いたな……ハニー、それら辺でいい?」
「賛成!!」


私たちは外に出た。


外は暑いのにすごく賑わっていた。学生だけでこれなら、明日はもっとすごいと思う。
私たちは焼きそばとじゃがバターを2こずつ、たこ焼きを1こ買い、直人の秘密基地だと言う場所に向かった。


「ここだよ!涼しいし、誰もいないでしょ?」
「非常階段か…確かに穴場かも。でも私に教えちゃっていいのぉ?しょっちゅう来ちゃうかもよぉ?」
「ハニーなら大歓迎!あ、でもかっちゃんたちには内緒ね」
「あはははっ!!了解!」


多分冗談だと思うけど、直人が真剣そうな顔で言うから、ちょっとおかしかった。


「さてさて、冷めないうちに食べよ!」
「うん!あ、直人、たこ焼きとって」
「どうぞ」
「ありがと── 熱っ!!でも、うまっ!!」
「あっはっは!!ハニー変な顔!!」
「ちょっと、直人~!!」


そういえば直人と2人きりになったことって今までないかもしれない。でも自然体でいられるし楽しいな。
直人も笑ってるし、よかった───
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