社宅アフェクション
お化け屋敷は予想通り混んで……なかった。
「なんだ。りっちゃんと勝彦くんか。真綾お姉さまに来てほしいのに」
「なんだはねぇだろ。こんなスッカスカのところに来てやったんだ、感謝しろ」
「誰も来てくれなんて──」
「あ″ぁぁぁっ!!よし!入るぞ大陸!!」
おいおい!蒼空、お前に呼ばれたことにしてココに来てんだからな!!
「言っておくけど、りっちゃんたちのには負けてないつもりよ。なに張り切ってるのか知らないけど、せいぜい、恥ずかしいことにならないように」
嫌味をたっぷり含んだ言葉で送り出された。
:
:
:
:
終わった……。
出てきた俺たちの顔は、完全に固まっていた。
そこスマホが向けられる。
「あはははっ!!今日のベストショットね!!真綾お姉さまにプレゼントしよっと」
「あっ、おい蒼空!!!!」
「もう送信済みですw 真綾お姉さまの反応が楽しみ~!!」
くそっ!!あんなの真綾に見られたら、一生ネタにされっ……ま、あ、や……?
非常階段での光景が、一気に脳内にフラッシュバックされる。
直人が真綾に……
「……?どうしたの、勝彦くん?そんなにボーッとされたら張り合いが…」
「かつ兄?」
なんでだ?モヤモヤしてきた。あの後、真綾はどうしたんだろう。なんて答えたんだ?
あいつら、付き合うのか?俺は──
「勝彦くん、そんなに真綾お姉さまに写真送られたのショックだった?あの…ごめんなさい」
「……あっ?」
我に返ると、蒼空が困惑した顔で目の前に立っていた。大陸もどうしたらいいか分からなそうな様子になっていて……
「あ、悪ぃ…考え事しちまった。確かに、このお化け屋敷は作りが凝ってて怖かった。俺の負けだ。だけどな、写真はナシだ。後でこの屈辱を倍にして返す。大陸、行こう。時間だろ?」
「…う、うん。じゃあね、そら姉」
「あ、またね……」
作ってしまった変な間を埋めたくて、しきりにまくし立てた俺は、大陸を連れて蒼空のもとを後にした。
「なんだ。りっちゃんと勝彦くんか。真綾お姉さまに来てほしいのに」
「なんだはねぇだろ。こんなスッカスカのところに来てやったんだ、感謝しろ」
「誰も来てくれなんて──」
「あ″ぁぁぁっ!!よし!入るぞ大陸!!」
おいおい!蒼空、お前に呼ばれたことにしてココに来てんだからな!!
「言っておくけど、りっちゃんたちのには負けてないつもりよ。なに張り切ってるのか知らないけど、せいぜい、恥ずかしいことにならないように」
嫌味をたっぷり含んだ言葉で送り出された。
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終わった……。
出てきた俺たちの顔は、完全に固まっていた。
そこスマホが向けられる。
「あはははっ!!今日のベストショットね!!真綾お姉さまにプレゼントしよっと」
「あっ、おい蒼空!!!!」
「もう送信済みですw 真綾お姉さまの反応が楽しみ~!!」
くそっ!!あんなの真綾に見られたら、一生ネタにされっ……ま、あ、や……?
非常階段での光景が、一気に脳内にフラッシュバックされる。
直人が真綾に……
「……?どうしたの、勝彦くん?そんなにボーッとされたら張り合いが…」
「かつ兄?」
なんでだ?モヤモヤしてきた。あの後、真綾はどうしたんだろう。なんて答えたんだ?
あいつら、付き合うのか?俺は──
「勝彦くん、そんなに真綾お姉さまに写真送られたのショックだった?あの…ごめんなさい」
「……あっ?」
我に返ると、蒼空が困惑した顔で目の前に立っていた。大陸もどうしたらいいか分からなそうな様子になっていて……
「あ、悪ぃ…考え事しちまった。確かに、このお化け屋敷は作りが凝ってて怖かった。俺の負けだ。だけどな、写真はナシだ。後でこの屈辱を倍にして返す。大陸、行こう。時間だろ?」
「…う、うん。じゃあね、そら姉」
「あ、またね……」
作ってしまった変な間を埋めたくて、しきりにまくし立てた俺は、大陸を連れて蒼空のもとを後にした。