社宅アフェクション
「あっはっはっは!!おもしれーもん見た!!」


どうともいえない空気をぶち壊したのは、京子の笑い声だった。
それをきっかけに、喫茶店は再び動き出した。


「見たか、あや子!!いい男が謝りながら逃げやがった!!会津、すげぇメンツ集めたな」
「まぁね。こんな時のためにボディーガード頼んでたんだ。みんな俺のダチだし」


ダチ…?いつの間に……


「そうだ!会津っちは俺たちのダチだ!!」
「いいや、ブラザーだ!!」
「ソウルブラザー!!」
「「押~忍っ!!!!」」


うわっ、暑苦し……てか、会津っち……
でも──


「いやぁ、広い人脈大事だね!」
「ありがと、直人。ごめんね、私のせいで…」
「ハニーは悪くない。俺が原因」


え?どうして……


「真綾が他の男に触られてるのが我慢できなかっただけだから」
「あっ……」


耳元でささやかれる直人の気持ち。
思い出してしまった。私、告白されてたんだ。
なんか急に顔が熱くなってきた。


「どうした?あや子。真っ赤だぞ?」
「しっ、仕事!!再開しなくちゃ!」


私は逃げるように、5番テーブルを離れた。
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