社宅アフェクション
後片付けと最終点呼が終わると解散になった。


「社宅組+αは一緒に帰ろうぜ!」
「おい、会津。+αって私のことかぁ?」
「えっ、あぁ、ごめん。しゅたのことだった。そうだった、京ちゃんもいたわ~」
「呼び方にイラッとしてたけど、存在自体忘れてんじゃねぇよっ!!」


直人の相変わらずな様子に、少し安心する。
振り返ったときのあの淋しげな顔が、頭から消えなかったから。
自分のことが分からないんだ。せめて周りは変わらないでほしい。


「かっちゃん!早く帰ろーよ!りっくんたちも玄関で待ってるってさ!」
「あぁ、今行く」


俺は教室を出た。

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「ただいま」


家の玄関を開け、誰もいないリビングに声をかける。
父さんはまだ仕事から帰っていない。
それなのに……


「誰か……いる…のか?」


人の気配がする。父さん、早めに帰ってきたのか?


「トイレか…?」


靴を脱いでトイレの前に立ち、ノックをした。


「父さん、帰ってんのか?父さん?」


その時だった。感じていた気配が、俺の背後にあることに気づいたのは──
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