社宅アフェクション
学校祭2日目。俺は朝っぱら…つっても10時から、執事というくだらない格好をさせられて、クラスに貢献させられていた。


11時半には解放されるし、あと少しの我慢──


「かっつひっこく~ん!!見に来たわよ~ん!!」
「「来たよぉ!!!!」」
「げっ……」


この声は……美里(さん)とチビどもっ!!
かくれ──


「美里さんじゃん!!久しぶり!」
「京子ちゃ~ん!メイドちゃん、かわいいじゃない!!ね、勝彦くん」
「う……」


見つかっちまった……
この質問、返答によっては2人から半殺しにされる……


「う、うん……いいんじゃね……?」
「「……………」」


沈黙が怖ぇんだけど……


「……まぁ、勝彦くんにしては言葉を選べてるほうかもね」
「本荘も少しは成長したみてぇだな」


どうにかきりぬけたみたいだ。よかっ──


「勝彦お兄ちゃん、捕まえたっ!!」
「捕まえたっ!!」
「はぁ!?え、なんだよっ!!」


蘭凛に両腕を拘束され、人が見ている手前、振りほどくこともできず、気づけばニタリ顔の美里(さん)が目の前に迫っていた。


「行くよ、勝彦くん」
「ど、どこに……つか俺、仕事中……」
「メニューに書いてあるけど?」


美里(さん)は俺にメニューを見せた。


“お好きなメイドor執事と校内デート30分               ────¥100”

「さ、行こ行こー」
「こんなの聞いてねぇよーっ!!」
「「いってらっしゃーい」」


棒読みのセリフに見送られ、俺は強制連行された。

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