社宅アフェクション

昼休みの部室棟は、放課後ほどではないけど賑やか。
自分の部室でお昼ご飯を食べる人や体育館で遊ぶ人が多いのだ。


「これなら追跡もバレなさそう！」


そう思った矢先だった。


「真綾先パ～イ!!こんにちは～!!」
「ゆ、由香里!?」


大きな呼び声がしたかと思ったら、急に後ろから抱きつかれた。
私の所属する新体操部の2年生、不知火(しらぬい)由香里。


「真綾先輩もここでお昼ですか？一緒に食べましょー！」
「ちょっ、由香里！声、声のボリューム下げて!!ゲームオーバーになっちゃう!!」
「ゲーム…？ん～、よく分かんないけど、真綾先輩と一緒なら、私も参加します!!」


だから声大きいって～!!ど、どうしよう。連れていかないと騒がれそうだし、このままだと2人を見失う。


「分かった！連れていくから静かにして！」
「わーい！先輩と一緒にいれる～!!」
「だから静かに!!」


なぜか私になついている後輩を引き連れ、私はミッションを続行した。