社宅アフェクション

部室棟を抜け、事務棟に着くと、勝彦と大陸の2人は職員室に入っていった。


「職員室に2人で何の用なの？あ～っ!!聞きたいけど、職員室に入ったらバレるし!!」


苦悶していると、由香里が提案してきた。


「勝彦先輩と大陸くんのこと知りたいんですか？私、こっそり聞いてきますよ？」
「えっ……」


おっ…由香里なら怪しまれずに2人のそばに行けるかも…


「由香里、お願いできる？」
「もっちろん!!真綾先輩のためなら、たとえ火の中、水の──」
「行ってくれるなら、早く行って？」


そして私は、追跡ゲームには欠かせないパートナー、密偵を職員室に送りこんだ。