社宅アフェクション
「本当にありがとう、かつ兄。僕ひとりじゃここまでできなかったよ」
「大したことじゃねぇよ。ほら、ついでだ。部室見学して、そこで飯食おうぜ」
「うん!!」


しばらくして聞こえてきたのは勝彦と大陸の会話。そして──


「それじゃ、勝彦先輩、大陸くん!これから部活、頑張ってね!」
「うん、楽しめるといいな!ゆか姉も新体操頑張ってね!」
「おうよ!!」


………って!!何、ターゲットと会話してんの!?密偵じゃなかったの!?隠密行動じゃないの!?
2人の去る足音がした。




「真綾先輩、行きましたよ、2人とも」


ギィィィー


使われていなかった職員ロッカーから私は姿を現した。


「あれ?真綾先輩、なんかこの数分でやつれてません?」
「う~ん…そうかなぁ……」


いや、この数秒でだと思う。
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