社宅アフェクション
「本当にありがとう、かつ兄。僕ひとりじゃこ こまでできなかったよ」
「大したことじゃねぇよ。ほら、ついでだ。部 室見学して、そこで飯食おうぜ」
「うん!!」


図書同好会への大陸の入部手続きは無事に済んだ。今日から活動に参加できるらしい。
大陸を知らないやつらの中に1人でいれるのは多少不安だが…まぁ、大陸も楽しみにしてるしな…


「それじゃ、勝彦先輩、大陸くん!これから部 活、頑張ってね!」
「うん、楽しむよ!ゆか姉も新体操頑張ってね !」
「おうよ!!」


ん?そういや誰だ、こいつ。職員室の中で親しげに話しかけてきて、俺の名前も知ってる。
大陸もゆか姉って…“ねぇ”や“にぃ”をつけるのは、親しい人限定のはずだ。


「なぁ大陸。さっきのやつ、誰だ?」


部室棟への渡り廊下を歩きながら聞いてみる。


「ゆか姉のこと?そら姉の友達だよ!部活が一緒で、小さい頃から家によく遊びにきてるんだよ!」
「社宅のやつか?」
「うん!不知火由香里っていうんだ!」


そうだったのか。隣の家に遊びにきてたのに、俺知らなかったぞ…。
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