社宅アフェクション
まぁ、いい。気にするのはやめよう。


「部室は3階だったか?」
「うん。ちょっと遠いね」
「こんくらい慣れねぇと、2年に上がったら毎日3階だぞ、教室」
「僕、運動は苦手だよー」


そんな会話をしながら、1階から3階までノンストップで上がる。
野球部の俺にはわけないが、大陸には辛かったらしい。着いた時には息切れをしていた。


「大丈夫か?」
「うん……はぁ…はぁ…僕……体力つけるよ」
「そうだな。お、ここが部室だ」


図書同好会と書かれた札が、ドアの上にぶら下がっている。


「ちょっと…入るの…緊…張するね…」
「まだ息切れしてんのか?」
「ううん。動悸がするだけ…」
「そんなに緊張すんな。俺がいるだろ?じゃ、開けるぞ」


俺はドアノブに手をかけた。
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