社宅アフェクション
ガチャ……


普通にドアは開いたが───


「うわ~っ!!!!怖いよ、かつ兄ぃ~っ!!!!」
「あぁ!?なんなんだ!?」


目の前は一筋の光も見えない真っ暗闇だった。


バタンっ!!


不吉な予感がして、俺はすぐにドアをしめた。
な、なんで図書同好会の部室が真っ暗なんだ?窓が必ずついている部室で、真っ昼間から闇って……つか、本読めねぇだろ!!


「ね、ねぇかつ兄!先生言ってたよね?昼休み、必ず部室使ってる部員いるって!なのになんで真っ暗なの!?なんで!?僕怖いよ!!!!」
「ちょ、ちょっと落ち着け、大陸」


とは言っても、俺もさっぱり分からない。部室で飯食おうって、あれ無理だろ。俺だって、実はホラー系は苦手だったりするのに……


「か、かつ兄……」
「なんだよ大陸。ちょっと落ち着けって─」
「う、う、後ろ……」


明らかに大陸の様子がおかしい。
恐る恐る後ろを見ると、静かに細く開いたドアの隙間から、鋭い光を放つ2つの目玉がのぞいていた───
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