社宅アフェクション
───ガラッ───ピシャッ────


「痛い!痛いから離せって!!」
「ふん!!」


理系棟2階にある第2理科室内で、ようやく頭は解放された。
すでに掃除は終わったのか、誰もいない。


「誰もいないところに連れ込んで何!?時間ないなら教室で──」
「俺に何の用だ?」
「……は?あんたがここまで──」
「尾行までしやがって、何の用だ。何を見た。何を知った」


うあ……追跡バレてた。そんな素振り、一切なかったのに……


「えと、あの、さ……私はただ、朝のこと聞きたかっただけで……私は友達っていうか、青春の1ページっていうか、からかい合いがちょっと楽しかったみたいな……」


言いたいことがまとまらない。


「でも教室であんな言われ方されて、勝彦は私らとのからかい合い?みたいなのは楽しくないのかなぁって……あの、ちょっとでも…さ?」


この言い方じゃ、勝彦のこと好きみたい?いやそうじゃないんだけど、ただ小さい頃から知ってるのに、勝彦のこと、よく知らないから…
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