社宅アフェクション

大陸が私の心配をしている。私の顔をのぞきこんでいる。私に声をかけている。私に触っ…てはいないか。これは妄想。


でも……


「 ここは…天国…？」
「あや姉、違うよ!?」
「まぁ、天国だなんて！そう、私は真綾お姉さまの天使だもの!!」
「そら姉……」


あぁ…否定の言葉でさえも、天使のささやきに聞こえてしまう。ちょっと怒った顔でさえも、天使の微笑みに見えてしまう。

それほどに大陸の存在は、私を変えてしまう。



そんなことを思っている時だった。
303号室の前での騒ぎ声に耐えかねたように、304号のドアが開いた。