社宅アフェクション
「上の空のお姉さまなんて、嫌いです!!」
「あっ、ちょっと、蒼空!!」
蒼空はB棟に向かって走っていった。
と思ったらピタッと止まり、私の方を見た。
「ところでお姉さま?」
「な、何?」
「恋愛対象としての好きって、何のことですか?」
うわっ、一番聞かれたくなかったこと、ズバ
ッと聞いてくるなぁ……
「ねぇ、お姉さま?」
どうしよう。勝負の絶対ルール、“本番まで、大陸が好きだと知られないこと”これはお互いに守らないといけないのに。
「真綾お姉さま!」
「あ、ほら、芸能人の話だよ。今日クラスの子と雑誌見てて、女優の松坂明美が義理の兄に対してそうコメントした記事があって……」
「……なぁんだ」
納得したのか、蒼空がニコニコしながら私に近づいてきた。
「お姉さまが大陸に対して、そう思ってるのかと思っちゃった。弟に嫉妬するところだった」
蒼空が“りっちゃん”ではなく“りく”と呼ぶ時は、大陸に怒りを感じている時。激しい怒りを持っている時、蒼空は一番冷静に見える。
この子、怖い──
「さ、さぁ蒼空!早く帰ろう!家はすぐ目の前だ!」
「はい、お姉さま♡」
蒼空の手をひき、社宅のB棟3階を目指した。
「あっ、ちょっと、蒼空!!」
蒼空はB棟に向かって走っていった。
と思ったらピタッと止まり、私の方を見た。
「ところでお姉さま?」
「な、何?」
「恋愛対象としての好きって、何のことですか?」
うわっ、一番聞かれたくなかったこと、ズバ
ッと聞いてくるなぁ……
「ねぇ、お姉さま?」
どうしよう。勝負の絶対ルール、“本番まで、大陸が好きだと知られないこと”これはお互いに守らないといけないのに。
「真綾お姉さま!」
「あ、ほら、芸能人の話だよ。今日クラスの子と雑誌見てて、女優の松坂明美が義理の兄に対してそうコメントした記事があって……」
「……なぁんだ」
納得したのか、蒼空がニコニコしながら私に近づいてきた。
「お姉さまが大陸に対して、そう思ってるのかと思っちゃった。弟に嫉妬するところだった」
蒼空が“りっちゃん”ではなく“りく”と呼ぶ時は、大陸に怒りを感じている時。激しい怒りを持っている時、蒼空は一番冷静に見える。
この子、怖い──
「さ、さぁ蒼空!早く帰ろう!家はすぐ目の前だ!」
「はい、お姉さま♡」
蒼空の手をひき、社宅のB棟3階を目指した。