社宅アフェクション
その後はなるべく存在を薄くし、無事お昼休みをむかえた。


「な~んか、前にも同じことがあったような気が……」
「ま、気にすんな気にすんな。それよりお弁当食べるぞっ!!」
「うん……ってあれ!?京子!?」
「何ビビってんの?」


彼女は宮崎京子。数少ない私の友達。
社宅の住人だったが、去年の秋頃に新築一戸建てに引っ越した。


「ビビってないし!あ、私用事あるから、食べるの早いよ?」
「数学の先生に呼び出しくらったか?」
「違うし!大陸に用事あんの!」
「青葉に?」


京子も社宅出身だから、大陸のことは知っている。それだけじゃなく……


「青葉、図書同好会頑張ってる?一応、直属の後輩になるわけだし、心配はしてんだ~」
「聞いてもさ、怖がって教えてくれないんだよね」
「まぁ、他言したら呪われそうだもんな。やめて正解だった。青葉も退部すりゃいいのに」
「なんか呪われるって」
「はぁ?」


私は、どうにか大陸から聞き出したことを話した。
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