ギャップ彼女 2
「おい、リンを苛めんじゃねぇ!!」
「そうだ!!悪いのは、てめらだろ!?」
斉藤さん達が言えば、伊吹と海斗が反論した。すると、だまる女の子達。中にはシュンとする女の子もいた。
伊吹も海斗も人気だからな…。
今まで、みんなの前でこんなに怒った事はなかった。
私なんかの為にありがとう。
心強かった。
今、クラスはとても悪い雰囲気だ。こんな事になってしまったのは、私の責任だ。
もっと他に言い方があったのかもしれない。
愛莉も、どう声をかけていいか分からず困惑している。
だから――――
『私、走るよ。』
そう言って席に座った。
「「リン!?」」
呼ばれた方に顔を向ければ、大丈夫なのか?と心配そうに見てくる伊吹と海斗。
海斗もいるんだし、きっと大丈夫。
大丈夫という意味をこめて、ニコリと笑顔で返した。
中学時代、一年半ほど陸上部だった。あの事があってから、気まずく部活をやめてしまっていた。
―――逃げていたんだ。
かなり久しぶりで、走れるのか心配だが、練習すればいいだけの事
頑張ればいいだけだ。