ギャップ彼女 2
「まぁ、今回はリンがいるからなのかもしれないけど。もしかしてダントツじゃない?リンのファン多そうだしね」
…へ?
…ファン?私に?
ありえない。
絶対ありえない。
もし、そんな人がいるなら眼科を勧めたい。
『ま、まさか〜。私なんかありえないですよ』
「謙遜しない、しない。」
『し、してませーん!』
自分がブスだというのは自覚済みだ。
中学時代から朱里達によく影で……いや堂々と「ブス」と言われていた私。
高校に入ってからもそれは同じで、ブスと罵る声が度々耳に届いていた。
まぁ昔から言われすぎて、さすがに慣れてしまったが…。
そんなブスの私にファンなんているわけない。ファンがいるとしたら、私なんかを可愛いと言ってくれる、慎士や海斗のように「ブス專」なんであろう。
「それにリンは、接客が上手なんだよね。本当、気が利くし丁寧だしね!ま、とにかく、リンはもっと自信もちな!リンの仕事っぷりは、私が保証するよ!」
紫苑さんの言葉は、とても嬉しかった。バイトを始めて数か月。初めて、仕事に対して認められた気がしたんだ。