ギャップ彼女 2
『紫苑さん、唯織さん…ありがとうございます』
接客を褒められ、嬉しくて笑みがこぼれれば、
「リ~ン!あんたやっぱ、可愛い~」と紫苑さんにギュッと抱きしめられた。
その横でクスクス笑う唯織さん。
うっ…苦しい…
紫苑さんの胸に埋もれてしまうので、息がしにくいのだ。
「紫苑、リンちゃん苦しそうだから、そろそろ放してやれ。まったくお前は…」
「あ。可愛くてつい。リン、ごめん」
和樹さんが、溜息交じりに言えば、アハハ~と笑いながら私を放した紫苑さん。
でも、まさか自分が1位になるとは思っていなかった。何かの間違いではないのかと、店長に尋ねれば、
「リンちゃんの接客で、お客さんの心を掴んだんだ。今回の結果も、接客上手なリンちゃんの実力だよ。これからも、がんばってね」と言われた。
接客が認められていた事実に、嬉しくなったんだ。