ギャップ彼女 2
リンだったんだ。



いくらウィッグを付けようとも、俺には分かる。一目で分かった。リンは、まさか俺だとは思っていなかったらしく、目を見開きかなり驚いていた。



「…あれ…もしかして、知り合い?」



俺達が無言で見つめあっていると、海斗が不思議そうな表情で尋ねてきた。



「…あの…その…」


海斗の言葉に動揺するリン。


慎士達とリンは同じ学校だ。リンから以前、学校に秘密でバイトをしているというのを聞いていた。もし、バレればリンが大変な目に合う。


だから…





『ちげぇよ。ただ凛音ちゃんが、俺の大好きな人に似てたから驚いただけ。じゃぁ、俺は日替わりパスタで』



「……はい、かしこまりました」



俺がリンに微笑みながら言えば、頬を赤らめながら去っていった。




やっぱり、リンは可愛い。
俺は、口元がほころんだ。
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