ギャップ彼女 2
『あのね、悠斗…そろそろ…放してくれないと、視線が…痛い…いや、痛すぎる…。』
無事にゴールしたのだが、手をなかなか放してくれない悠斗。今私は、悠斗に手を繋がれたまま本部に向かって歩いているんだ。
女の子達の悲鳴や、殺気立った睨みが突き刺さって痛いのに、
「嫌だ」と放そうとしない悠斗。
でも、何だろう…この気持ちは?
繋がれた手が熱いんだ。
本部に着けばやっと手を放してくれたが、放れていった悠斗の手を、名残惜しく思っている自分がいた事に戸惑った。
『騎馬戦…行ってくる。』
「あぁ。ケガするなよ?」
『…うん』
自分の競技がそろそろだという事を思いだし、私は本部の椅子に座る事なく、そのまま集合場所へと急いだ。
女子の騎馬戦は、大縄の次だ。
今は、伊吹とあゆみが出ている大縄跳びの最中で、私の出番はあと少しで始まる。
私は、駆け足で向かった。
…繋がれていた手が、まだ熱かった。