ギャップ彼女 2

『……。』


どうしよう…。
また、壊れてしまった。私は無残な姿になってしまった我が相棒メガネを、ただボーッと見つめる事しかできなかった。




「わ、わたしのせいじゃないわよ!!あ、あなたが、眼鏡かけてるから、い、いけないのよ!?べ、べべ、弁償なんてしないんだから!!」


ぽっちゃり彼女は、早口にそう言って逃げ去っていったのだった。




はぁ…



「ピーーーーーッ」



私の溜息と同時に競技終了の笛が鳴り響いた。





「……リン、眼鏡…」

『……あ、ありがとう』



愛莉は、無残な姿になってしまった眼鏡を拾って渡してくれた。眼鏡のフレームは変な風に曲がり、度なしレンズはフレームから取れてしまっている。






…最悪だ。
< 169 / 479 >

この作品をシェア

pagetop