ギャップ彼女 2
なかなか縮まらない距離に、みんな諦めムードだ。何で、終わってもないのに諦めてる顔してんのよ!
私は絶対、諦めないんだから。
結局最下位のまま私の番がきて、スタートラインに立った。
この緊張感…懐かしい――…
「…か、なつ、き、さんっ!!」
『はい!』
第10走者の彼からバトンを受け取って、前だけを向き走り出す。
風を切って走る感覚がとても気持ちがいい
昔によく感じてた感覚を思い出した。
前に走る赤組の茶髪彼女の背を追いかける。あと5m…4、3、2、1…捕えた!!
次の目標は、黄組のショートカットの彼女。でも、距離が足りない――…
もうすぐ、悠斗が待っている場所に着いてしまう。
『…ゆ、うと!!』
「あぁ」
私を見て優しく微笑んだ悠斗に、バトンを渡した。