ギャップ彼女 2
「リン」



しばらく沈黙が続いていたが、沈黙を破ったのは悠斗。


私は、彼に視線を向けた。



「…理由は…なんだ?」




悠斗は、眉と眉の間に少し苦しそうなしわを寄せている。




―――そんな顔させたくないのに…




理由は、考えていた。私は、深呼吸するように緩やかに息を吐いて話し始めた。



『勉強、バイトとの両立が大変だから…この前みたいに倒れたりしたら、また皆に迷惑かけちゃうしね。』



こういう風に言えば、優しい悠斗達が何も言えなくなるのは分かっていた。現に、悠斗の瞳は揺らいでおり、動揺に耐えていることが分かった。



「……そうか…」




悲痛な表情で言葉を紡ぐ悠斗に、胸が苦しくなる。




そんなの嘘だよ…
本当は、みんなと一緒にいたいんだよ?
仕事だって楽しいよ!大変だって思った事なんて一度もない!




そう言ってしまいたい言葉を必死に飲み込んだ
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