ギャップ彼女 2
「リン」
そんな時、優しい声で私の名を呼ぶ声が耳に届き、俯いていた顔をあげた。
私は、ゆっくりと翔に視線を向ける。
『…なに?』
でも、彼を見た瞬間に胸が苦しくなった。
「大丈夫だよ。」
「ふふふ。そうよ。花那月さん、安心して?」
だって翔は、先ほどまでの当惑しきった表情ではなく、優しく微笑んでいたから―――…
私がいなくても大丈夫って言われている気がして辛かったんだ。
…ダメだ…泣きそう…
『それじゃぁ、怜奈さん…後は、よろしくお願いします』
私は必死に笑顔を作り、逃げるように生徒会室を出て家に帰った。
この時、翔の言葉の本当の意味を、私は知る由もなかった。