ギャップ彼女 2

頭の中で練習してみる。



(ゆうくん、ゆうくん、ゆうくん―――…。)








「りんちゃん。そろそろ悠斗ヤバそうだから呼ぶのやめてあげて?」

『…え?』



隼人の声で思わず悠斗に視線を向ければ、何故か真っ赤な顔をしながら視線を彷徨わせている悠斗の姿があったんだ。




どうやら、頭の中ではなく実際に呼んでいたらしい。




―――恥ずかしい





私は苦笑いのまま「ゆうくん、ごめんね」と言った。



お、自然に言えたじゃん!?







……と思ったのだが、悠斗は「悠斗だ。悠斗と呼べ」と赤い顔のまま言った。



「ゆうくん」もダメらしい。



結局私は、怜奈の前だけ呼ばないようにすればいいかと、1人納得したのだった。
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