ギャップ彼女 2
「また花那月さんの写真撮らせて下さいね?」



なのに彼は、こんな事を言いだした。にこにこと私を見る彼に、思わず顔をしかめた。



だって、意味が分からないのだ。



売れない私の写真を撮ったところで一体何の意味があるというのだろう?
今回だって、私が来なければ処分されていたに違いない。ゴミ箱行き決定だったはずだ。



『お断りします。ゴミ箱行きは、勘弁して下さい。では、失礼します。』



私は早口で言って、キョトンとしている彼から逃げるように、新聞部の部屋から出た。



背後からケラケラと笑い声が聞こえたが、気にしない事にしよう。
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