ギャップ彼女 2
「ゆうく~ん、みっけ」
黒髪の男の子が名前を言おうとした瞬間、小さい頃の奏がやってきた。どうやら、この黒髪の子は「ゆうくん」というらしい。
「りんちゃん、こんなとこで寝ちゃダメだよ。」
『…え?あ、うん、ごめんね?』
そして私に視線を向けた奏は、呆れ顔で言う。
寝ていないのにな…と思いながらも、とりあえず謝った。
でもこの場面、昔経験した記憶があるような、ないような…。
う~ん。
思い出せない…
「リンちゃん、もう行かなきゃ」
柔らかく微笑んだゆうくんは、私の右手をとり立たせてくれた。
『ゆうくん…ありがとう…』
私がゆうくんにお礼を言い立ちあがれば、奏が私の左手をとる。
「リンちゃん、みんな待ってるよ、行こ?」
『うん!』
繋がれた両手はとても温かくて、心が安らいでいく。