ギャップ彼女 2
『蓮…ありがとう』
私は嬉しくて、蓮の腰あたりに手を回しギュッと抱きしめた。
蓮の気持ちが、嬉しいんだ。
私なんかを捜しにきてくれて。
ありがとう!
それに、いつまでもここでメソメソしてたって何も変わらない。
大事な時間は、こうしている間にも過ぎていくんだ。
自分の失敗だ。
自分でケジメをつけないと。
『…私、戻るよ。ありがとう』
蓮の胸板にそっと手を添えて体を引き離そうとしたところ、蓮がまだ逃がさないと言わんばかりに、ギュッと抱きしめてきたんだ。
「辛かったら、俺のところへこいって言ったよな?……なんで来ねぇんだよ。」
私を抱きしめ、首筋に顔を埋めた蓮からの消え入るような声。
『…れ…ん…?』
…急に、どうしたのだろうか?
一呼吸おいた後、蓮は口を開いた。