ギャップ彼女 2
~奏 side~


俺はリンの家に何度も電話をしていたが、いないのか、なかなか繋がらなかった。
俺達はリンが寝ている病室で黙って座ってリンを見つめていた。



検査の結果は、異常なしという事で俺達は胸を撫で下ろした。でも、依然気を失ったままのリンに不安を覚えた。




この病院で、リンのこの姿を見ていると昔を思い出す。



―――早く、目を覚ましてくれ




俺は、眠っているリンの左手を握り、右手は悠斗が繋いでいた。



1時間くらい、そうしていただろう。ふと、リンが握っていた手を握り返してきたのだ。



「「リン」」



悠斗もそれに気づいたらしく、俺達は、リンの名前を呼んだ
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