ギャップ彼女 2
そういえば……



最近、悠斗の名前呼んでいないな。



怜奈がいる以上、呼び捨てなんてできなかったし、なんて呼んでいいか分からなかったから。



「悠斗先輩」なんて何だか変な感じだ。
そんな事をぼんやりと思っていると、




「行くぞ。」



そう言って、私の手を引きズンズン歩き出す悠斗。




『え?まだ、エントリー受付…』

「もう、終わりだからいい。」




すでに悠斗の手には、エントリー用紙があって




どこか、急いでいる様子の悠斗。
それに、どことなく不機嫌だ。




何か問題でもあったのかな…?それとも、私また何か失敗した?


そう、もやのように不安が広がったのだった。













「あはは。慎士、残念だったな。」

「ほっとけ。それより、神崎先輩って花那月さんの事……でも、怜奈様がいるんだよな…」

「あーあの、女子達が騒いでいる噂かー。実際どうなんだろうな。いまいち、ピンとこねぇけど…。」

「そうだよな」

「ま、考えたって仕方ねぇ。リンとツーショットの写真撮れただけで俺たち幸せものだよな?あそこのやつら、俺らの事羨ましそうに見てるぜ?」

「あはは。確かにな。」



私達の後ろ姿を見ながら、そんな会話がされていたことにもちろん気づくはずもなかった。
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