ギャップ彼女 2

気付いた時には生徒会室前のドア前まできていて…




…なぜ生徒会室?



そんな事をぼんやりと思いながら、生徒会室に入った。







悠斗がソファ前のテーブルにエントリー表を置くと、次の瞬間不意に右手が強く引かれ、




…え…



一瞬で悠斗の温かい腕に包み込まれた。





どうして悠斗が抱きしめてきたのか分からないが、この状態はヤバイ…




ドキン、ドキンと高鳴る心臓の音がはっきり自分で聞き取れるんだ。





『…どう、したの…?』

「少しだけいい、このままでいさせろ」





耳元での甘い囁きに、グラリと目眩がしそうになる。




そりゃぁ、私だって悠斗に抱きしめられるのはイヤじゃない。ドキドキするけど、ずっとこうしていてほしいって思うんだ。




…好き


悠斗が好き。




溢れそうになる悠斗へのこの気持ち…





「好き」って口の先まで出かかった言葉をそのまま飲みこんだ。





悠斗と恋人なんてありえない現実って理解しているのに、この想いが溢れてくる。









だからーー…
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