ギャップ彼女 2

リンにはお土産だと言って指輪を渡した。
その方が受け取ってもらえるかと思ったんだ。




俺とお揃いの、このリングを。



「可愛い…ありがとう!」

『あぁ』




リンの笑顔に思わず頬が緩んだ。



しかしリンは、人差し指に指輪をはめようとしていて……
その瞬間、悲しくてやるせない思いが心にのしかかってきた。





やはりリンにとって俺は、友達の位置にいるのだと思い知らされたんだ。




リンが薬指にはめたいのは、一体誰の指輪なんだよ…?





…いやだ




俺以外の男なんて、考えたくもねぇ。
頼む…俺を見てくれ…




『ちげぇ』




すかさず取り上げリンの右手薬指にはめた。





『本当は、この指にしたいけどな。』





リンの左手薬指に触れながらこう言えば、驚きの表情で俺を見つめるリン。





左手薬指は、もちろん結婚を意味する。この指にして、一生リンを俺のにしたい。








俺の気持ち届くだろうか?
いや、届いて欲しい。





鈍感な彼女へ…









俺にとって精一杯の告白だった。
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