ギャップ彼女 2
間接的な言葉しか出ないのは、告白するのが怖いからで
もしリンに振られたら、俺はきっと立ち直れないだろう。
だって9年の片思いは、そんな簡単なものじゃないんだ。
自分でも、まさかこんな長い片思いをするとは思っていなかった。会えなかった時も、リンへの想いは消えなくて。
あの時の約束が忘れられなくて。
俺は、何度あの公園に足を運んだろうか?
もしかしたら調べれば分かったかもしれない。
でも、俺はしなかった。
きっと、また会える…
そう信じていたから。
高校で再会し、昔に出会った時よりもリンへの想いはさらに強くなった。
成長した彼女は闇を抱えていて、変な女になっていたが、何でも一生懸命で、真っ直ぐな彼女に俺は惹かれたんだ。
好きだと伝えるのが、こんなにも難しいとは思わなかった。
『ちなみに、ペアリングだ……これなら、学校でもバレないからな』
「…ありがとう。大切にする」
俺が服の下からネックレスを引っ張り出し、指輪を見せれば、リンは嬉しそうに微笑んだ。
それが堪らなく嬉しかった。
ペアだと知っても喜んでくれたから。
この時、少しだけ期待してしまったのは事実。
『リン、肌身離さず身につけろよ?絶対にだ』
「うん」
でも幸せなひと時は、次の日一瞬で崩れ去る事になる。