ギャップ彼女 2
きっと、怜奈はリンと奏がこの店に入っているのを知っていたに違いない。




「佐山くん、初めまして。私、悠斗の彼女の篠原怜奈です。よろしくね?」



彼女の部分を強調しやがったこいつを、俺は睨んだ。何が彼女だ?



奏!お前も嬉しそうにするんじゃねぇ!
そう…奏はというと、ライバルがいなくなってホッとしたような顔をしてるんだ。



リン…気づいてくれ…これはフリだ。
本当に好きなのは、リン…お前だけなんだ…




「ねぇ、佐山くん。花那月さんと付き合ってるの?」



しかし、とんでもない事を口にする怜奈



…なわけねぇよな?



ドキドキしながら俺は奏が口を開くのを待つ。



「いえ…今は付き合ってないですが、いずれ俺の彼女にする予定です。」



奏の言葉に俺は安心すると同時に焦った。
今は付き合ってないが、そのうちリンを彼女にすると言ったんだ。



「…え?」



動揺するリンを見て、スマートに告白するこいつを俺は羨ましいと思った。
俺が出来ない事を簡単にしてのけるこいつを…




「言ったろ?俺はリンの事、諦めねぇって。」



でも、お前にリンを渡すつもりはねぇ。
リンは俺のだ。俺のなんだよ!
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