ギャップ彼女 2
ハロウィンパーティー当日ーー…



リンの仕事は仮装コンテスト受付だ。
怜奈は今、別の仕事をしているから、リンとふたりきりになるのは今しかチャンスがない。



受付が終わる間際にリンの所へと向かえば、案の定リンを隠し撮りするやつらがいた。



俺が睨めば、慌てて携帯をしまう彼ら。


鈍感なリンは、当然気づいていない。
俺は無音の溜息をついた。




リンに近づいた時、リンと男ふたり(ひとりは海斗だが、もうひとりは誰だ?)の会話が聞こえた



『おい』



何気に、リンの連絡先を手に入れようとするんじゃねぇ。しかも、もう少し離れろ。




しかし俺はその後、自分の立ち位置を知る。



「悠斗……………先、輩?」




なぁ…いつの間に先輩つける様になった?




そこで俺は気づいたんだ。最近リンに俺の名を呼ばれていなかった事に。



リンが俺から離れていってしまっているその事実に、悲しみが胸を貫いた。











俺はリンの手を引き生徒会室に向かう。
早くふたりきりになりたかった。
なんせ時間がない。



途中何度も俺の手を放そうとするリンに胸が痛んだ。





周りなんて関係ない。言わせておけばいい。
どうせ、今日中にはケリがつく。





俺はリンの手を逃がさないように、指を絡ませてしっかりと繋いだ。






リンがどう思おうとも、俺はこの手を放したくないんだ。
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