ギャップ彼女 2
『別れて欲しい』
顔面蒼白の彼女にそう言えば、大きく顔を顰めた。
「……嫌…別れないわ…。もし別れるって言うなら、あの事件の事…彼女に言うわ」
この後に及んで、まだそんな事を言い出す怜奈に溜息がこぼれた。
どっちが優勢か分かっていない様だ。
『そうか……なら、この写真を学校中にばら撒くまでだ。』
「…っ」
俺がそう言い放てば、悔しそうに固く唇を噛み締めた怜奈。
そんな彼女を気にせず、俺は続けた。
『お前を慕っているやつらは、どう思うだろうな。俺という彼氏がいながら、5人の男と浮気するお前の事をな。』
「……………わ…かったわ…別れる…わよ…」
俺が言い終えれば、怜奈は悔しくてたまらないという顔つきのままであったが、なんとか了承してくれた。
あの事件の事はリンに話さないのと、他の人にも言わない事も付け加え、俺はやっと怜奈から解放されたんだ。
目には目を。
歯には歯を。
脅しには脅しを。
しかし、俺はこの時知らなかったんだ。
まだ全ては終わっていなかった事に…