ギャップ彼女 2
院長先生は、カルテらしきものを見ながら口を開いた。
「凛さんの事ですが、検査の結果は異常ありませんでした。」
「良かった…。」
リンのお母さんはホッと安心している様子だった。ここまでは、俺達も聞いていた事だった。
しかし、「ただ」と言う院長先生の声に、俺達に緊張が走った。
ただって何だ…?
「頭痛が起きた原因は、解離性健忘…いわば記憶喪失が関係していると思われます。」
「リンの記憶が戻るという事ですか?」
リンのお母さんの声は、震えていた。もし、リンに記憶が戻ったりしたら、あの時みたいになってしまうのか…?
そんなのは、絶対駄目だ。
「それは、彼女の心の問題だといえるだろう…
記憶を失ったあの当時、彼女は幼かった。そしてあの時、耐え難い苦痛に対する積極的な防衛機制が働き、心因性の健忘が起こったんです。
そうする事で、自分を守ったんですね。
だけど、それが今回崩れかけたんでしょう。
きっと頭痛が起きる前に、何かきっかけがあったはずです。無理やり思い出そうとしたか、はたまた記憶に関する事に触れたか…それは分かりませんが。
しかし、彼女自身まだ受け入れる体勢ではなかった。だから倒れてしまったと考えられます」
「凛さんの事ですが、検査の結果は異常ありませんでした。」
「良かった…。」
リンのお母さんはホッと安心している様子だった。ここまでは、俺達も聞いていた事だった。
しかし、「ただ」と言う院長先生の声に、俺達に緊張が走った。
ただって何だ…?
「頭痛が起きた原因は、解離性健忘…いわば記憶喪失が関係していると思われます。」
「リンの記憶が戻るという事ですか?」
リンのお母さんの声は、震えていた。もし、リンに記憶が戻ったりしたら、あの時みたいになってしまうのか…?
そんなのは、絶対駄目だ。
「それは、彼女の心の問題だといえるだろう…
記憶を失ったあの当時、彼女は幼かった。そしてあの時、耐え難い苦痛に対する積極的な防衛機制が働き、心因性の健忘が起こったんです。
そうする事で、自分を守ったんですね。
だけど、それが今回崩れかけたんでしょう。
きっと頭痛が起きる前に、何かきっかけがあったはずです。無理やり思い出そうとしたか、はたまた記憶に関する事に触れたか…それは分かりませんが。
しかし、彼女自身まだ受け入れる体勢ではなかった。だから倒れてしまったと考えられます」