ギャップ彼女 2
でもなぜだか知らないが、俺はいつも目で追っていた。



常に無表情で、必要最低限喋らない彼女。



朝はギリギリに登校し、昼はどこかに行き、帰りもすぐに居なくなる。唯一、クラスにいる時は、短い休み時間の時だけ。




リンは一切誰とも関わらず、ぼんやりと窓の外ばかりを見ていた。


話しかける勇気もない俺は、ただ黙って目で追うばかり。






同じ生徒会役員になった時は、本当に嬉しかった。ただショックだったのは、俺の事を全く知らなかった事。



生徒会人気投票で、唯一1年で選ばれた俺は、1年の中では有名だった。
しかも同じクラスなのにも関わらず。



生徒会室で初めてリンの笑顔を見た時、可愛くてドキっとした。



こんな風に笑うんだ。
この時、リンの事知りたい、もっと知りたいって思ったんだ。

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