極上な恋のその先を。
伏し目がちに、あたしを見つめセンパイ。
昼間のセンパイが嘘みたいに、その瞳の中は熱情でいっぱいだ。
ドクン
ドクン
センパイの匂い。
ずっと、ずっとこうしてほしかった。
ずっと、求めていたその腕のぬくもりに理性が揺らぐ。
たまらずその腕に手を伸ばした。
「はあ……今すぐ抱きてぇ」
「センパ……」
その唇が、やっと落ちてきた。
……と思った、その瞬間だった。
―――バタ――ン!
「久遠センパイ!渚さーーん!」
いきなりオフィスの扉が勢いよく開いて、真山くんが飛び込んできた。
「!!!」
ギョッとして、慌てて久遠センパイの胸を押しやる。
ちょうど死角になっていて、まだ真山くんにはあたし達の姿は見えていない。
ひゃあああ!
ビクビクしていると、すぐそばで小さなため息が。
「……お前な」
「だ、だってあの、」
両手を壁についたまま、センパイはジト目で睨み、真っ赤になったまま俯いたあたしに小さくため息を零すと、ポンとその手を頭に乗せた。
え?