極上な恋のその先を。
腕の中の熱
◇渚side
センパイ……。
センパイ……っ!
本当は、このままセンパイの首に腕を回したい。
そうすればきっと、キスの先が待っている。
甘い予感に、身体の奥が熱を持つ。
優しく、そして誘うように背中を撫で上げていた手は、髪を掻き上げ首筋に落ちた。
「……っ、……ん」
たまらず声が漏れそうになり、慌てて唇を噛みしめる。
センパイがそれを見逃すわけもなくて、すぐにキスをされ深く奪われた。
強く、背後の桜の木に身体を押し付けられる。
センパイと、木の間であたしは身動きもとれずにただキスを受け入れていた。
どうしよう……。
でも……、こんな場所じゃ……。
ほんの少しの理性が、あたしを突き動かす。
「っん、せ、センパ……ダメ!ダメですよっ」
「――なんで?」
鼓膜を震わす囁き声。
おでこを合わせるように覗き込まれ、その瞳の中に吸い込まれそうになる。
あたしはフルフルと首を振った。
「だって……、こ、ココ、外ですよ!?」
「んなもん、待てっかよ」
「ひゃ……」
今度はスカートの中に手が滑り込んできた。
思わず飛び上がって、たまらずにギュッと目を閉じた。
「~~、ダメダメっ!絶対ダメですっ」
力いっぱい胸を押しやれば、センパイの手は止まる。
そして、ジト目であたしを睨み……。