極上な恋のその先を。
それからあたし達は、3年分の距離を埋めるように
何度も、何度も抱き合った。
グズグズに溶け合って、どこからがどちらの境界線なのかもわからなくて……。
いっそのこと、なにもかもひとつになれたら。
愛おしくて
切なくて
たまらなくなって
何度も、何度も。
気持ちよくて……おかしくなりそう……。
意識を手放しかけて、でもそれはすぐにセンパイに引き戻される。
「渚……、なぎさ……」
肩口で紡がれる、センパイの切なげな声。
また涙が零れ、大好きなえりあしに指を絡ませてキスをした。
そうして……。
空が白み始める頃。
優しく髪を撫でる心地よさに誘われて、あたしは意識を手放した。
夢を見た。
あたしは空を飛んでるの。
大きな船に乗ってる。
真っ白な帆が風ではためいる、帆船だ。
舵を握るのはセンパイ。
ああ、そうだ。あたしはきっと。
センパイの動かす船に乗って、どこまでも行くんだろうな。
どんな嵐が来ても、きっと大丈夫。
この人となら、絶対大丈夫。
穏やかに、のんびりと蒼い蒼い空を飛ぶ船。
どこまでも、どこまでも。
そんな夢だった気がする……。