極上な恋のその先を。
真剣なその横顔は、息を呑むほどきれいで。
あちこちに跳ねるえりあしがすごく好きで……。
センパイは、こうしてたったひとりで、いつも努力してる。
そんなセンパイの背中を見るのが好きだった……。
長いまつ毛が、頬に影を落とす。
黒目がちの、そのガラスの瞳がこの先の未来で何を見るのか。
それを、隣で見ていたい。
ずっと、ずっと隣で。
いちばんの特等席で……センパイの、隣で。
行かないで……。
パラリ パラリ
資料をめくっていた手が止まり、落ちていた視線がゆっくりと上がる。
流れる前髪の向こう側で、アーモンドの瞳が驚いたように大きく見開かれた。
「渚?」
「……センパイ……」
資料をパタンと閉じて、センパイはくるりと椅子を回転させた。
向き合うようになり、椅子に座ったままのセンパイはあたしを覗き込むように見るとその手をゆっくりと広げて見せた。
そして、
「なに泣いてんだよ、お前は……」
眉を下げて、口角をクイッと持ち上げる。
あたしはそのまま吸い込まれるように、センパイを抱きしめた。