極上な恋のその先を。
止まって。
止まって!無くしたくないの……!
「あたしはっ……」
ギュッと瞼を閉じた、その時。
手を引かれ、頭ごと引き寄せられた。
そして、その勢いにまかせるように、強引に口づけられた。
「!」
固まってるあたしの唇に、甘い甘いキスをくれるセンパイ。
ぐちゃぐちゃだった頭の中が、センパイのキスに染まっていく。
首筋に回っていた手は、髪をかきあげて。
キスは深く角度を変えた。
喉の奥から出かかっていた言葉を全部呑みこむように、センパイの舌が絡めとっていく。
「……ん」
思わず吐息が漏れて、身体の力が抜け落ちそうになったタイミングで、センパイはチュッと啄むようなキスをして、あたしの目を覗き込むように見た。
「落ち着いた?」
「え……」
伏し目がちの瞳が、至近距離であたしを射抜く。
そして、その顔が今度は心底不服そうに歪んだ。
当然真っ赤になったあたしは、何度も瞬きを繰り返すだけで……。
「あのな。俺が言った事忘れたのか?」
「へ?」
センパイが言った事……?