極上な恋のその先を。

キョトンとしているあたしなんてお構いなし。
センパイは、そのままあたしの唇にチュッとキスを落とす。


「……!」


いきなりの甘ったるいキスに、アタフタしているとセンパイの手がクシャリと髪をすき腰に回る。

喋る隙なんて全然くれなくて、とりあえずはセンパイに身を委ねた。



センパイとの生活は……ホットチョコレートみたいに甘くて……蜂蜜みたいに濃くて……うん。

と、とにかくあたしは、毎日毎日こうして甘やかされてる。

だから、時々思うの。
このまま、身体も心も何もかも、あたしセンパイと溶けてなくなっちゃうんじゃないかって。


バカみたいだって思うかもしれない。

でも、本当にそれくらい幸せだった。





「! ちょ、ちょっとセンパイっ……何してるんですか」

「ん? 何ってなんだよ」

「この手です! 帰って来たばっかりなのにっ」



甘い予感に理性を手放しかけた時、服の中にセンパイの手が滑り込んできてハッと我に返った。

慌ててその手を抑えると、至近距離でセンパイがジト目になる。



で……でたな、その攻撃!

< 74 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop