極上な恋のその先を。
リゴーーン
リゴーーン
教会の鐘の音が鳴り響き。
パイプオルガンの祝福の音色に導かれて、飴色の扉が開く。
ステンドグラスから零れる慈愛に満ちた陽の光の先で。
真っ白なタキシード姿の愛しい人が、穏やかな笑みを湛えてあたしを待っている。
たくさんの人の笑顔に迎えられ。
純白のドレスに身を包んだあたしは、朱い絨毯へ一歩を踏み出した。
この先の未来を信じて……。
祭壇で待っていたセンパイが、左手を差し出した。
レース越し見上げると、愛おしそうに目を細めるセンパイがいて。
ステンドグラスの七色の光をうけて、すごくキレイ。
思わず息を飲んでいると、センパイは眉を下げて笑った。
?
「もう泣いてんのか?」
「えっ?」
言われて気付いた、頬の涙。
わ……あたしってば、つい……。
真っ赤になって俯くと、牧師様の声が大聖堂に響いた。
指輪の交換をして、ベール越しにセンパイと向かい合う。
いつまでたっても止まってくれない涙を見て、センパイはその瞳を細めて苦笑した。
「お前は……ほんとにすげぇ女だな」
「え?」
不意に囁かれた言葉に、キョトンと瞬きを繰り返す。
センパイは悪戯な笑みを零して、そんなあたしの耳元に唇を寄せた。