タイムマシーン
「えーと…茶道部?」
「「へーえ」」
「甲斐ちゃん!甲斐ちゃんは何部にすんの?」
椎名くん、君は誰にでもちゃん付けなんだね…
「あー俺は陸上部だけど」
…やっぱりそうなんだ
「篠崎。茶道部なんだ?」
「あー…うん」
「意外」
「そうかな?」
か、会話が成立している…
すごい…
「…甲斐くん、やっぱり足速いんだ?」
「んーそこそこ?」
「え?甲斐ちゃん、篠ちゃん知り合い?」
「えーと…」
なんと言えばいいんだろう
友達ってほど親しくない
知り合いってほど知らない
むしろ…
「小学校の同級生」
あ、そう言えばよかったのか
ここまで話してチャイムがなった
正直、ほっとした
これ以上は何を話していいのか分からない
…いや、違う
言わなくてはならないことがあるのに
逃げたかっただけ