タイムマシーン
「篠ちゃん、こっち」
椎名くんの説明によると
甲斐くんが1番でリードして
セッターがさらに引き離して
あたしがつないで
椎名くんがアンカーでそのままゴールする作戦らしい
「オレ1番だったら、りなに告白する」
「うん。頑張って…」
バトンはバトンゾーンの中で
渡さないといけないのだけれど
「篠ちゃん、オレの手の位置ちゃんと見て」
「オレのスタートを遅めにするから」
色々と指導を受けるけれど…
「…ごめんなさい」
「いいよ。いいよ。始めたばっかだし」
バトンを受けるのは大丈夫だけど
渡すのがうまくいかない
ぶつかるのが怖くて失速してしまう
結局、この日の練習は何の成果も得ずに終わった