タイムマシーン
ファーストフード店で気軽にするような話ではない
結局、近所の公園に来た
夏の終わりの夜
風も吹かず 、星も見えず
半分の月だけが見える
「甲斐、悪かったな」
「いや」
「―篠崎」
顔があげられない
「ごめん」
!
「この前は悪かった。
……あと、ずっとごめんな」
『ずっと』
「………あたし、気付かない間に小宮くんに
何かしてたのかな?」
「篠崎は何もしてない。
オレが…勝手に勘違いしてて馬鹿だっただけだ」
よく分かんないけど…
「詳しくは甲斐から聞いてくれ。
情けないけど、まだ自分の口から言えるほど…
覚悟がないんだ」
覚悟?
「コレ」と言って小宮くんはポケットから
人形をだした
同窓会で見た、ウサギの人形
「コレ、嬉しそうに触ってたから」
ウサギを受けとる
「同窓会をきっかけに、
また皆で定期的に集まるんだ
…甲斐と一緒に来いよな」
「……うん」
「じゃあな」
それだけ言って、小宮くんは歩きだした
あ…
「ウサギ!」
小宮くんの足が止まった
「………ウサギ、ありがと」
小宮くんは振り向かずに右手をヒラヒラさせて
また、歩いて行ってしまった